季節の変わり目による体調不良...　薬に頼らず「香り」でセルフケア

普段は身体に何の不調もなく元気な人であっても、季節の変わり目はどうしても体調が崩れやすくなります。これは低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わることや、激しい寒暖差による自律神経の乱れが原因です。
自律神経には、身体を活発に動かす「交感神経」と、リラックスモードに切り替える「副交感神経」があり、普段はこの2つの神経が自分の意志とは関係なく自動的にバランスをとりながら体の調子を整えています。
季節の変わり目に起こる自律神経の乱れは、寒暖差や気圧の差に対しストレスを感じて交感神経が優位になり、副交感神経とのバランスが取れないことで生じることが多くなります。ストレスが溜まっていることで交感神経が優位になっている場合は、副交感神経を活性化させることが自律神経の乱れを改善することに有効です。

自律神経を整える「香り」によるセルフケア

■アロマセラピー

アロマと聞いてまず思い浮かぶのは、「香り」ではないでしょうか？実は、香りと脳には深い関係があるのです。
まず、鼻から取り込まれた香りの成分は、鼻腔の奥にある嗅上皮の粘膜に付着し、嗅神経を介して大脳辺縁系に伝わります。脳の中でも本能や情動を司る大脳辺縁系に心地よい香の情報が伝わると、その情報がさらに自律神経ホルモン、免疫の調整をする視床下部へと伝わり、心と体に作用します。
香りを嗅ぐと自分でも意識しないうちに感情が変化したり、体調に変化が現れるのはこのためです。
また、アロマの香りは、呼吸や皮膚からも取り込まれ心や体に作用します。呼吸から肺へ取り込まれた香りの成分は、血流によって全身をめぐります。

アロマは、症状にもよりますが、このように素早く自律神経のバランスに働きかけ、体の調子を整えることができる魅力的なケア方法の一つです。

【季節の変わり目におすすめのアロマ】

◎交感神経の高ぶりを緩和し、リラックス効果が期待できるアロマ 
ラベンダー、イランイラン、ジャスミンなど

◎交感神経の働きを高め、やる気を高める効果が期待できるアロマ
ネロリ、スイート・オレンジ、ベルガモットなど

アロマオイルにはたくさんの種類があり、それぞれ効果も違います。その中から、ご自分の好みの香りのものや、嗅ぐと心地良く感じるものを見つけておくと、ちょっとした不調を自分でケアすることができるようになります。

■ハーブティー

副交感神経を活性化させ、リラックス効果を得たい時には暖かいハーブティーがおすすめです。
ハーブティーの芳香成分は、自律神経のバランスを正常に戻し、交感神経優位の緊張状態から副交感神経優位のリラックス状態へと切り替えます。
ストレスや刺激が多い人や、不安感や緊張が強い時には、副交感神経を優位にすることに意識を向けて、ハーブティーでリラックスできる時間を作ったり、就寝前にハーブティーを飲む習慣を持つことで自律神経を整えることができます。

【季節の変わり目におすすめのハーブティー】

◎交感神経の高ぶりを緩和し、リラックス効果が期待できるハーブティー 
カモミール、レモンバーム、ラベンダーなど

つらいときは無理せず、日頃から頑張っている自分をいたわってあげましょう。リラックスできる雰囲気づくりにアロマやハーブティーを楽しむのはおすすめです。簡単なセルフケアの方法として、香りを生活に取り入れてみませんか？

セルフケアで薬に頼らない毎日を

日本統合医学協会では、重なるストレスから自分の体を自分で守る知恵が学べるオンライン講座をご用意しています。自律神経が乱れる原因や乱れたときに見られる体調変化について知っておけば、自律神経を整えるセルフケアを日常に取り入れる選択に、より早くたどり着けるはずです。

気になる講座を是非チェックしてみてくださいね。