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超高齢化社会となった近年において、100歳以上の方が9万人以上おられるということは前回のブログで述べさせて頂きましたが、ここで重要なことは、いかに良好な健康状態をキープして歳を重ねているかということになってくると思います。欲を言えば、センテナリアンとなっても自らの足で散歩をし、自らの口から食事をとり、自らの手で用事を済ましたいと思いますよね。
今回はとてもパワフルな高齢者の方を紹介させて頂きながら、日常気を付けることを学んでいきたいと思います。
リチャード・モーガンさんは93歳だが、心臓の健康状態と体力は数十歳若い人と変わらないとのことです。彼は日課として筋力トレーニングと低強度の有酸素運動を行っているそうです。また、体脂肪を低く保ちながら筋肉量を維持するのに役立つとされる高タンパク食を摂っているそうです。
アイルランドに住む93歳の男性、リチャード・モーガン(Richard Morgan)さんは、パン職人や化学オペレーターの仕事を引退し、現在は主に自宅裏庭の小屋で1日40分ほど運動しているとワシントン・ポストが報じています。
ケーススタディの調査対象となったとき彼は92歳で、その頃「インドアローイング(有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行うスポーツ)」で4度目の世界チャンピオンになりました。研究チームが彼の心臓の健康状態、筋肉量、総合的な体力を測定したところ、90代の人というよりも、健康な30代や40代に匹敵することが分かったそうです。
インドアローイング
定期的な筋力トレーニング、低強度の有酸素運動を行い、良質な栄養を摂るといった彼の日課はすべて、寿命を延ばし、ずっと健康でいるための方法として科学的に裏付けられています。
1.有酸素運動は低強度で行う
研究者は93歳のモーガンさんが行っているローイングマシンでの毎週約30kmに相当するローイング運動を分析しました。
その結果、彼が行う運動の約70%は低強度のものであることが分かりました。これは、寿命を延ばし、持久力や総合的なパフォーマンスを向上させるための有酸素運動として医師や運動科学者が推奨していることとほぼ一致しています。
低強度の有酸素運動
運動中でも息切れすることなく、会話が楽にできるペースと定義されることが多い。
心拍数で言えば「ゾーン2」という最大心拍数の60~70%の運動に当てはまる。
2.短時間の激しい運動も重要
モーガンさんが行う有酸素運動の残りの部分は、約20%が中強度、約10%が全力疾走のような高強度だったそうです。
運動中に酸素を効果的に消費する能力は、心肺機能の健康状態を示す重要な指標であり、モーガンさんの場合、その能力が際立っていたそうです。
このような能力を培うには、長時間維持できないようなペースで短時間の激しい運動を行うことが理想的であるため、高強度の運動も重要だと研究チームは考えています。
3.「失敗する寸前」まで負荷をかける
モーガンさんは、ローイング運動に加え、ダンベルを使ったランジ、ロー、カールを3セット行う筋力トレーニングを週に2回行っています。
最近の研究により、筋力トレーニングが慢性疾患や早期の死亡を防ぐのに役立つことが分かっています。筋力トレーニングの効果を得るためには、何時間もジムに通う必要はなく、週に30分から60分程度の取り組みで十分だという研究結果もあります。
モーガンさんの筋力トレーニングでもう一つの重要なのは、各セットのエクササイズを「失敗する寸前」まで行っていたことです。このことは、時間をかけて筋肉に負荷をかけ、筋肉をより大きく、強く成長させる鍵となります。「寸前」というのがキーワードであり、本当に失敗してしまうまでダンベルを持ち上げたり、すべての負荷を最大にしたりすると、ケガのリスクが高まり、全般的な健康増進にはほとんどプラスにはなりません。
4.十分なタンパク質の摂取
モーガンさんは定期的な運動に加え、高タンパク質の食事を心掛けており、体重1ポンド(約450グラム)あたり約1グラムのタンパク質を毎日摂取しています。
その結果、体重75キロの彼の筋肉量は47キロという驚くべきレベルであり、体脂肪も15%という健康な若い男性並みのレベルを維持できていると考えられています。
タンパク質は、筋肉を作り、維持し、食欲をコントロールするための重要な栄養素であり、現在のガイドラインでは、体重1ポンドあたり約0.7グラムが理想的な摂取量だとされています。しかし、加齢とともに筋肉量を維持することは難しくなり、タンパク質を多く摂ることが健康的なエイジングに役立つことが立証されています。
5.運動を始めるのに遅すぎることはない
モーガンさんを対象に行われたケーススタディで特筆すべきなのは、彼が並外れた体力を持っていることのほかに、比較的人生の後半に運動を始めたことでした。ローイング運動を趣味として始めたのは73歳のときだったそうです。70歳になるまで、モーガンさんは一切運動してこなかったといいます。
80代、90代になってからトレーニングを始めても、筋肉を増やして筋力をつけることができ、健康や生活の質も大きく改善されることもエビデンスで示されています。
6.長く続けることが成功の鍵
モーガンが健康と体力の増進に成功した理由のひとつは、これらの日課を継続的にこなしていたことだろうと研究チームは指摘しています。
ダイエットや運動によって筋肉をつけたり、脂肪を燃やしたり、健康増進を図ったりするのには時間がかかります。そのため、一般的に専門家が急激なダイエットや流行りのワークアウトを勧めることはありません。どんなに最適なダイエットやワークアウトの日課であっても、続かなければ意味がありません。長生きするための一番いい方法は、長期に渡って続けられるよい日課を実践することです。
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