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この季節がもたらす心の病とその対策
日中の気温はまだ高いものの、朝晩はグッと冷え込む季節になりました。この温度差により、体調を崩しやすくなることもありますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この時期には特に気を付けたい心の病があります。それは、『季節性うつ病』という病です。
≪季節性うつ病≫
季節性うつ病とは、1984年に精神科医のローゼンタールらによって「冬季うつ病」として初めて報告された精神疾患で、秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春先の3月頃になると回復するというパターンを繰り返す(周期性)のが特徴です。この病気は、発症時期に季節性があるという点が重要です。冬に繰り返す冬季うつ病が最も典型的ですが、冬以外の季節にうつ病が発生するパターンも存在します。これは、毎年特定の季節に悲しみが増す傾向がある人がいることを示しています。つまり、ストレスに定期性や季節性があれば、いつでも『季節性うつ病』を患う危険性があります。
季節性うつ病を発症しやすい理由として、以下が挙げられます。
【季節性うつ病になりやすい人】
この病は、妊娠可能な年齢の女性に最も多く見られ、女性は男性の約3倍罹りやすいとされています。また、日照が病態に関与しているため、赤道近くに住む人が罹ることは少なく、赤道から離れるほどリスクが高まります。イギリスでは100人に3人が深刻な季節性うつ病に悩まされています。光が不足すると脳内でセロトニンの分泌が減少し、やる気がなくなるなどの症状が現れ、うつ病になりやすくなると考えられています。
【対策】
さまざまな対策がありますが、今回は『笑い』を紹介します。"笑い"には、体を緊張モードにする交感神経と、リラックスモードにする副交感神経を整える効果があることが証明されています。通常、覚醒時は交感神経が優位になりますが、笑うことで副交感神経が優位になり、交感神経とのスイッチが頻繁に切り替わり、自律神経のバランスが整います。
過去に行われた検証もご紹介します。キリンホールディングスは、笑いが脳の認知機能を改善し、ストレスを抑える効果があるとの研究結果をまとめました。この研究には吉本興業と静岡県浜松市が参加し、近畿大学医学部の心療内科部門が監修しました。
<研究方法>
40歳~65歳で浜松市在住の男女25名を対象に、「笑い」が生じる漫才動画(M-1王者のミルクボーイの漫才動画)と「笑い」が生じない漫才動画(新人漫才コンビの動画)を鑑賞した後、認知機能課題を実施しました。認知機能課題の成績と併せて、脳血流変化、自律神経変化、唾液および質問紙によるストレス状態を評価しました。
<研究結果>
笑い動画を鑑賞した後に行った課題では、対照動画鑑賞時と比較して、集中力を要する課題の回答速度が改善されました。さらに、笑い動画鑑賞時では、対照動画鑑賞時と比較して前頭葉の脳血流量が増加し、副交感神経活動が上昇し、唾液中のα-アミラーゼ活性の増加も抑制され、主観的なストレス状態も改善しました。
以上のことから、"笑い"はストレス軽減を促し、集中力を上昇させ、頭の回転を速くする効果があることが証明されました。皆さんも、日々のストレスを笑うことで少しでも解消し、心の病を未然に防ぐよう心掛けましょう。
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