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ピラティスは、身体の柔軟性向上や筋力強化、姿勢改善などの効果が期待されるエクササイズとして広く知られています。
しかし、その効果がどのようなメカニズムで発揮されるのか、科学的視点から理解している人は意外と少ないかもしれません。
近年では、運動生理学や神経科学の分野でピラティスの効果が解明されつつあり、その科学的根拠が注目されています。
本記事では、ピラティスが筋肉や関節、神経系にどのように作用するのか、最新の研究結果をもとに解説します。
ピラティスは、主に「体幹(コア)」の筋肉を鍛えることに焦点を当てています。
コアには腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋などが含まれ、これらの筋肉が連携することで安定した姿勢や動作が可能になります。
特に「中枢神経系」と「筋肉」の連動性が高まることで、効率的な動きが引き出されるとされています。
ある研究では、8週間のピラティスプログラムを継続した参加者は、腹横筋の厚みが有意に増加し、体幹の安定性が向上したことが報告されています
(出典:Critchley et al., 2011, Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy)。
関節可動域(Range of Motion, ROM)の向上は、ピラティスの代表的な効果の一つです。
関節可動域が低下すると、日常の動作が制限され、怪我のリスクが高まります。
ピラティスでは、ストレッチと筋力トレーニングを組み合わせることで、筋肉や腱、靭帯の柔軟性を向上させます。
特に、反復的でコントロールされた動きが関節周辺の組織に適度な刺激を与え、可動域が改善されることが明らかにされています
(出典:Rogers & Gibson, 2009, Clinical Biomechanics)。
ピラティスは神経系にも影響を与えます。
特に、中枢神経系と末梢神経系の連携が強化されることで、運動制御が改善されることが報告されています。
例えば、ピラティスの動作は、筋肉を意識的に動かし、呼吸と連動させることで、自律神経系のバランスを整えます。
また、神経可塑性(Neuroplasticity)と呼ばれる神経系の再構築プロセスが促されることで、
新しい動作パターンが学習されやすくなるとされています(出典:Clark et al., 2014, Neuroscience Letters)。
姿勢の改善は、ピラティスが最も得意とする分野の一つです。
正しい姿勢は、筋肉のアンバランスや関節への過度な負担を防ぎ、身体の効率的な動きをサポートします。
ピラティスでは、骨格のアライメント(整列)を意識しながら運動を行うことで、筋肉の不均衡が修正され、正しい姿勢が身につきます。
研究によると、定期的なピラティスの実践は、猫背や前傾姿勢の改善に有効であることが示されています
(出典:Kang et al., 2016, Journal of Physical Therapy Science)。
ピラティスはメンタルヘルスにも効果的であることが科学的に証明されています。
特に、呼吸法や集中力を要する動作が自律神経を整え、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える効果が期待されます。
さらに、ピラティスの実践はセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質の分泌を促し、
リラックス効果や幸福感を高めることが分かっています
(出典:Caldwell et al., 2010, Journal of Bodywork and Movement Therapies)。
科学的な効果が証明されているピラティスは、日常生活にも簡単に取り入れることができます。
例えば、デスクワーク中に意識的にコアを使う姿勢を保ったり、短時間のストレッチを行ったりすることで、
身体への負担を軽減することができます。
また、運動不足やストレスを感じた時には、数分間の呼吸法を取り入れるだけでも、自律神経を整える効果が期待できます。
ピラティスは単なるエクササイズにとどまらず、運動生理学や神経科学の視点からもその効果が証明されているメソッドです。
筋力強化、柔軟性向上、神経系の調整、姿勢改善、さらにはメンタルヘルスのサポートまで、幅広い効果を持つことが科学的に裏付けられています。
今後も研究が進むことで、ピラティスの可能性はさらに広がるでしょう。
科学的根拠に基づいたピラティスを取り入れることで、より効果的に健康維持や心身のバランスを整えることが可能になります。
ぜひ、日常生活にピラティスを取り入れて、その効果を実感してみてください。
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