医療の現場で看護師として勤めて14年というキャリアを持つ門野恵子さん。
看護ケアにアロマの効果を取り入れていきたいという夢を叶え、現在は看護師セラピストとして活動しながら、
自宅サロンをオープンし、メディカルアロマセラピストとしての活動をスタートされました。
「人が持つ自然治癒力を高める」統合医療に携わるとはどういうことなのか。お話をお聞きしました。
看護師歴14年。訪問看護の仕事をしながら、看護師セラピストとして地元の病院でのアロマハンドトリートメントボランティアやイベント活動にも参加。平成29年1月にはアロマトリートメントを中心とした自宅サロンをオープン。
仕事や家族、将来の事など、不安を抱え心身にしんどさを感じていた時、職場の先輩からアロマセラピーを紹介されたことをきっかけに、ラベンダーを始めとするいくつかの精油をセルフケアに用いるようになりました。精油の香りに自分自身何度も癒され、アロマを看護に取り入れたら患者様の苦痛の緩和など役立つのではないかと思い始め、統合医療・代替療法を調べ始めるようになりました。
メディカルアロマに出会う前は、心や体のしんどさに対して、すがるようにさまざまなセラピーを受けたり片っ端から健康法に取り組んだりしていました。そして風邪など少しでも調子が悪いと病院や薬局でお薬を得て飲み、期待するような効果が得られないと次々別の方法を試したりの繰り返しでした。症状ばかりに目を向けて、自分自身にはほとんど目を向けていなかったように思います。
メディカルアロマを学びセルフケアをしていく中で、西洋医学もその他さまざまな代替療法も、どれが優れているとかではなくそれぞれに役割があり、どれも人に本来備わっている自然治癒力があるからこそ成り立つものであるということに気付きました。
「病気はお医者さんが治してくれるもの」そう思っている方が多いように思います。
日本は高齢化により寿命が延びていることで、医療の現場では人材不足が深刻化しています。限られた人材と限られた時間では、残念ながら基本的なことしか提供ができない。そんな現場も経験してきました。医療というものは、ここぞという時必要なものですが、自然治癒力があるからこそ発揮されるもの。
「病気はお医者さんが治してくれるもの」ではなく、自然治癒力という機能に気づき、なぜそうなっているのかを意識することで、本来の効果が期待できることを多くの人に知ってもらいたいです。
また自己ケアが広がることで、医療の現場でも、より治療を必要とする人に人手と時間をまわせるようになり、ケアの質の引き上げにつながると思います。
私が看護師として勤めていた中で、大切にしてきた看護ケアの一つに保清というものがあります。保清とは温かいタオルなどを使って身体を拭いたり清潔に保つためのケアですが、この時表情が和らいだり、ぽっと話をはじめる方がおられたり、「触れる」「さする」というタッチング行為により、心と身体の緊張がゆるまる効果をたくさん目にしてきました。アロマを看護に取り入れたら患者様の苦痛の緩和など役立つのではないかと思ったのは、アロマがタッチングと同じように人の心身をリラックスさせるものであり、それらを合わせることでさらに高い効果が期待できると感じたからです。
実際に看護の現場の中で、患者さまの精神的・肉体的苦痛を緩和する方法の1つとして取り入れてみたところ、付き添いをされていたご家族様から「ハンドトリートメントをしてもらってすごく穏やかな表情してた。嬉しかったんだと思います。本当にありがとう。」など言っていただけたり、他にも、「腕が軽くなった」「普段こんなことして貰わないからなんだかうれしい」「手を触ってもらうだけでこんなに安心するんやね」などのお言葉をいただくことができました。
「こうあらないといけない」となんでも型にはめていこうとする傾向は日本人特有かもしれません。患者さんやお客様と向き合っていると、かつての自分がそうだったように、そのような考えにより、心や体を凝り固め、不調を引き起こしている人が多いように感じています。
心と体がふわっとゆるむと、それだけで気になっていた症状が軽く感じられたリ、自然治癒力が高めることができます。また、心の中にしまい込んでいた想いがどんどん出てきて、本当の気持ちに気付けたり、今までできなかったことができるようになったりすることもあります。メディカルアロマを通して自分が体験したことを、看護師の知識・経験と合わせて多くの人に還元していきたい。
現在、私は訪問看護の仕事を続けながら、自宅サロンをオープンさせました。
「普通のアロマトリートメントのサロン」ではなく、「ここへ来ると何故だか分からないけれどすごく自然体で楽に過ごせる」と思ってもらえるような自宅サロンを目指すと共に、統合医療や代替療法の考えを広めていくことが今の私の自然体な姿だと思っています。
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協会について
日本統合医学協会は、東京と大阪に拠点を持ち、日本における健全な統合医学の普及と発展を目的として、平成12年に設立されました。メディカルアロマ、メディカルハーブ、またメディカルヨガやメディカルピラティスといった幅広い分野で技能研修や資格・検定の認定制度確立。統合医学の正しい知識の普及と技能向上に努めています。長年の実績と信頼ある当協会の資格は、医療・福祉の現場をはじめ、自宅サロン開業など転職・就職・開業にも役立てることが可能。統合医学の現場で働く皆様の活躍を後押しします。また、プロの育成だけでなく、セルフメディケーションとしてのメディカルアロマやメディカルヨガの普及にも注力し、誰もが「センテナリアン」を実現できる社会を目指し活動しています。