- 2021.09.15
- メディカルアロマ資格講座
- 資格の活かし方2
- メディカルアロマインストラクター資格取得講座で得た知識を日常生活や仕事へどのように活かしていきたいですか
私は看護師であり、現在は看護学生の教育に携わっている。病院で勤務していたころから慢性疾患をもった長期入院の患者さんや、終末期の患者さんにかかわる際にはケアにアロマを取り入れることもあったが、病棟にあるアロマオイルを何となく使っていただけだった。それでも患者さんやご家族は「いい香りがして気分がいい」と喜んでくださっていたが、ケアする側にもちゃんとした知識や技術があるわけでなく、何となく気分転換を図る目的であったり、病室の臭気をカバーするために用いていた状態だった。
私の教育としての専門領域はがん看護であり、次年度からがんの補完代替医療に関する授業を担当することになった。これまで健康食品、リラクセーション技法など、がん医療の現場でよく用いられる代替補完医療について基礎的な知識は学んできたものの、アロマセラピーについては具体的な精油の使い方など必要となる知識が膨大で難しいイメージがあり、深堀りするのを敬遠していた部分があった。しかし学生に教えるにあたり、一度「なんとなく」ではなく実践的な知識をしっかり学んでみようと考えたのが、今回の受講のきっかけである。改めて学ぶことにより、聞きかじってきた知識はこのような根拠や科学的なメカニズムによるものだったのかと気付かされることが非常に多かった。講義を受講し終えた今でもすべての情報が理解できたわけではないが、どのような成分を含む精油だから、このような効果が期待できる、この対象者には避けたほうが良い、といった系統的な知識として整理できるとわかったことで、これから更に実践的な使い方を身につける基礎ができたと感じる。
アロマセラピーは、それをきっかけに患者さんとじっくり話をしたり、時間をかけて身体状態を観察する時間を作る有用な機会にもなる。そのため、教育に携わるようになってからも、看護学生とともに実習で患者さんに関わる際、リラクセーションや生活のリズムを整える目的でアロマを用いたケアに触れる機会は少なくない。足浴や清拭に精油を取り入れてみるとき、これまでのような「眠れない患者さんにはラベンダーが良いらしい」「柑橘系を皮膚に使うのは避けたほうがいいらしい」といった曖昧な知識だけでなく、看護学生とともに、患者さんや症状に合った精油やそれを活用したケアを考えるのがとても楽しそうだと感じている。今後はここで身につけた基本的な知識をもとに、更に学びを深めていきたい。
大阪府 F.A様